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東京都が設置している標識

 東京都が標識を設置している坂道は、車の交通量が多い幹線道路であることが多い。このページの下にあるリストをみると分かるように、(すべてが確認できているわけではないが)都の設置した標識があるのは概ね都道にある坂道であった。ただし、都道にある坂道だからといって、必ずしも東京都が標識を設置しているわけではない。たとえば、港区の市三坂及び霞坂は都道409号(通称六本木通り)にあるが、標識の設置主体は港区である。

 東京都設置の標識は、各坂道に一つのみ設置されている。東京都が設置した標識は、下の写真にあるような2種類である。便宜的に、左側のタイプを「都A型」、右側のタイプを「都B型」と呼ぶことにしよう。

【都A型】 【都B型】
*写真は中野坂(中野区) *写真は松見坂(目黒区)

「都A型」の特徴
 (1)金属製。文字等は彫られる形。
 (2)記述内容は、歩道側には、
     @ 最上部に、江戸時代の切絵図の関連部分
     A @の下に坂名の由来等の説明(縦書き)
     B Aの下に坂名(縦書き、ふりがな付)
     C Bの下に設置年月、東京都(横書き)
    が記述されている。車道側は坂名のみである。

          @の例
(妙義坂の標識。”「江戸切絵図近吾堂版」より”と書かれている)
Aの例
(左と同じく妙義坂の標識)


 (3)ほとんどは錆びついているのか黒くなって読みにくい。特に@については見ても何かほとんど分からない事が多い。
   文字の方も小さい上に読みにくいのでよく注意しないと書いていることが分からないことが多い。
   通行人が立ち止まって読むようなこともほとんどないであろう。

「都B型」の特徴
 (1)石製であり、都A型より読みやすくなっている。設置年月は標識上では都A型とあまり変わらない。
    これも文字等が彫られる形。
 (2) 記述内容は、
     @ 最上部に、江戸時代の切絵図の関連部分(金属板がはめ込まれた形)
     A その下は、白地に彫られた文字で、縦書きに右から
        (ア)坂名(ふりがな付)、(イ)坂名の由来等の説明、(ウ)設置年月及び東京都
    である。

東京都が設置している標識のリスト (2003年1月18日現在で分かっているもの)

坂名 所在地域 通りの名称(都道番号) 標識のタイプ
弁天坂 新宿区神楽坂方面(その2) 大久保通り(都道433号線)
高力坂 新宿区市ヶ谷駅周辺方面 外堀通り(都道405号線?)
安保坂 新宿区曙橋方面 靖国通り(都道302号線)
合羽坂 新宿区曙橋方面 (靖国通り)(都道302号線)
焼餅坂 新宿区曙橋方面 大久保通り(都道433号線)
八幡坂 新宿区早稲田・戸山・若松町・新宿方面 早稲田通り(都道25号線)
成子坂 新宿区西新宿方面 青梅街道(都道4号線)
神明坂 文京区千駄木・本駒込方面 不忍通り(都道437号線)
目白新坂 文京区音羽・関口方面 目白通り(都道8号線?)
清戸坂 文京区目白台方面 不忍通り(都道437号線)
東覚寺坂 北区田端方面 小台大通り
大炊介坂 北区上中里・西ヶ原方面 本郷通り(都道455号線)
六石坂 北区王子・滝野川方面 本郷通り(都道455号線)
飛鳥大坂 北区王子・滝野川方面 本郷通り(都道455号線)
馬坂 北区東十条方面 環七通り(都道318号線)
清水坂 北区東十条方面 旧岩槻街道
妙義坂 豊島区駒込・大塚方面 本郷通り(都道455号線)
中野坂 中野区 青梅街道(都道4号線)
松見坂 目黒区大橋・青葉台方面 淡島通り(都道423号線)
新道坂 目黒区上目黒・中目黒方面 駒沢通り(都道416号線)
けこぼ坂 目黒区上目黒・中目黒方面 駒沢通り(都道416号線)
金毘羅坂 目黒区目黒・下目黒方面 目黒通り(都道312号線)
どぜむ坂 目黒区都立大学・自由が丘方面(その1) 目黒通り(都道312号線)
柿ノ木坂 目黒区都立大学・自由が丘方面(その1) 目黒通り(都道312号線)
さいかち坂 品川区西小山・旗の台方面 中原街道(都道2号線)
洗足坂 大田区石川町方面 中原街道(都道2号線)

(初稿:2003年1月18日)